ペンギンのピップとふわふわぐも

ここは、ひんやりとさむい、みなみのしま。
ちいさなペンギンの ピップ くんは、まいにち、そらにうかぶしろいフワフワなくもをみるのが だいすきです。

「くものうえには、どんなせかいがあるのかな？」

ピップくんは、いつも そうおもっていました。

「よし！ぼく、くものうえに いってみよう！」

ピップくんは、おおきな ゆきだまを ころころころがして、あつめはじめました。

「これで、くもにとどくかな？」ピップくんは、おとうさんやおかあさんに、
「いってきまーす！」
と げんきにあいさつをして、たびにでました。

ピップくんが、ゆきのかいだんをのぼっていると、つよいかぜがふいてきて、おちそうになりました。

「だいじょうぶ？」

やさしいこえが します。
みあげると、まっしろな ウサギ さんが、
ニコニコわらって、てをさしだしてくれました。
ウサギさんは、ピップくんといっしょに、
くもをめざしてくれることになりました。

ウサギさんとピップくんは、
もっとたかいたかいゆきやまをつくることにしました。
そこへ、ともだちのアザラシさんもやってきて、「わたしも てつだうよ！」といって、いっしょにゆきを はこびはじめました。

みんなでチカラをあわせると、
おおきなゆきやまが、どんどんたかくなっていきました。

ついにみんなで つくりあげたゆきやまの
てっぺんから、ピップくんは、くものうえに ジャンプ！

「わぁ！」

そこは、フワフワのわたあめみたいに
やわらかくて、キラキラのシャボンだまが
たくさんとんでいる、ゆめのようなせかいでした。ピップくんは、みんなといっしょに、
くものうえで おおはしゃぎしました。

ゆうやけぞらのした、
「またあそぼうね！」とやくそくして、
みんなでおうちにかえりました。
おうちに かえったピップくんは、
かぞくにくものうえのすてきなはなしをしました。

ピップくんは、またあたらしいゆめをみつけました。
こんどは、みんなでちがういろのくもをさがしにいくことです。