まよなかのぼうけん

あるひのよるのこと。

しーん・・・

コタロウは めを つむったけど、すこしも ねむくなかったよ。

まくらもとのライオンのぬいぐるみのキャプテンも、きょうはなんだか むずむずしているみたい。

コタロウが そっと おきたら、キャプテンが 『いくぞ！』って ささやいた。

くらやみの なか、かべの かげが、
ゆらゆら、おばけみたいに うごいたよ。

なんだか よるのおうちはこわいな。

「テーブルのかげは おおかみみたい！
イスの あしは まほうの きのこ！」

キャプテンが『だいじょうぶ！』と、
ちいさなてをさしだしています。

ゆうきをだして ヒカリのみえるほうへ すすみます。

「わぁ！」
「ほんだなの しきりが まよなかの トンネルになってる！」

ふたりは トンネルを くぐりぬけると…

そこは、まるでおもちゃのくにのパレード！

たくさんのヒカリと、にぎやかなおもちゃが たのしそうにあそんでる。

「みてみて！ ブロックが ダンスしてる！
ミニカーが おおきなたいこを たたいてるよ！」

キャプテンも コタロウも、
げんきいっぱい みんなとあそんだよ。

パレードが おわって、ふたりは おふとんに もどりました。

コタロウは ぎゅっとキャプテンをだきしめて、ふかーい ゆめの なか。

「ふふ、きょうの ひみつは、だれにも いわないんだ！」

きょうのよるのことは、ふたりだけのヒミツだよ。